私たち男性は、一般に化粧品についての知識が乏しいです。
「化粧=女性がするもの」
というのは思い込みに過ぎません。
とはいっても、メイクをするという意味ではなく、肌や頭皮を清潔に保ち、見栄えをよくするという意味のほうが強いかもしれません。
当然ながら、男性にもこういった思いはありますよね。
ただ、化粧品に対する知識が圧倒的に女性と比べて乏しいのも事実。
なんとなく化粧品(医薬部外品も含めて)を選ぶのではなく、正しい知識を身に付けて選んだほうがより高い効果を得られると思い、メンズコスメの基礎知識をまとめていきたいと思います。
第7回目となる今回のテーマは、「UVケア化粧品について」です。
少しでも、化粧品に興味を持っていただき、意識の向上に役立てたらうれしいです。
UVケア化粧品て日焼け止めのことだよね?
海に行くときは使ってるけど…!
そう。日焼け止めのこと。
だけど、紫外線は一年中降り注いでるんだよ!
目次
UVケア化粧品とは
UVケア化粧品の使用目的
UVケア化粧品とは、肌に有害となる紫外線を防ぐためのものです。
「なぜ、肌に有害なのか?」
それを理解するためにも、まずは紫外線について説明していきます。
紫外線とは何か?
太陽の光には、私たちが見ることのできる可視光線のほかに、目で見ることのできない紫外線や赤外線が含まれています。
このうち、肌に悪い影響を及ぼすものが紫外線です。
紫外線は「Ultra Violet」の略です。そのままですよね。
もちろん、紫外線は人間の身体にとって、消毒作用、新陳代謝の活性化、血行の促進など有用な面もあります。日光浴なども効果的です。
その反面で、皮膚にとっては有害な面が多くあります。
日焼けはもちろんですが、長時間(長期間)紫外線にさらされると、シミ・そばかすの原因となってしまいます。また、たるみの原因ともなります。
美しく、若々しい肌を保つためにも、紫外線対策は必須なのです。
紫外線の種類とは?
紫外線はその波長によって分類することができ、それぞれ作用が異なります。
このうち、UVCは通常は地表まで届くことはありませんので気にしなくて大丈夫です。
その波長が短いほど有害性が強く、波長が長いほど皮膚の奥まで入り込みます。
紫外線を浴びると、皮膚の中では活性酸素が発生します。
この活性酸素は、細胞にダメージを与え活動を弱めるとともに、コラーゲン繊維、エラスチン繊維などを分解する酵素の産生を促進してしまいます。
その結果として、肌が乾燥したり、シワやたるみができやすくなってしまいます。
UVAとは?
UVAは波長が長く、肌の奥深くの真皮にまで到達しますので、真皮にあるメラノサイトを活発にするため、肌が黒くなります。(=サンタンといいます)
また、破談弾力を保つためのコラーゲン繊維やエラスチン繊維にも影響を及ぼすため、シワやたるみなどの原因となってしまいます。
時期としては、4~9月の間にほぼ一定量で降り注ぎ、冬の時期でも半分程度にしか減少しませんので1年中ケアが必要です。
また、雲や窓ガラスも投下するため、くもりの日や室内・車内にいても注意が必要です。
UVBとは?
UVBは波長が短く、肌の大部分に吸収され、短期間で肌を赤くするなどの炎症(=サンバーンといいます)を起こさせます。
さらに数日後、メラニンが生成されて肌が黒くなっていきます。
このメラニンは通常は肌のターンオーバーとともに、皮膚の外に排出されるのですが、紫外線を浴び続けるとメラニンの数自体が増えてしまい、排出しきれなくなってしまいます。
これがシミの原因となります。
時期としては、6~8月の間が最も多く降り注ぎますが、春・秋で半分程度、冬の時期で1/5程度に減少します。
光老化とは?
こういった紫外線の影響による肌の老化を光老化といいます。
紫外線を長く浴びることで肌はダメージを受けます。
その蓄積されたダメージがシミやシワ・たるみの原因となってしまうのです。
肌の老化は、加齢による老化によるものが2割、そしてこの光老化によるものが8割!といわれています。
今は気にならないかもしれませんが、10年、20年後に後悔しないように今からケアを始めましょう!
サンケア指数とは
UVケア化粧品には、肌に影響のあるこれらの紫外線(UVA、UVB)を防ぐ効果を分りやすく示したものとして、サンケア指数があります。
これが日焼け止めクリームなどの製品に表示されているSPFとPAです。
SPFとは?
SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、UVBを防ぐ効果を数値化したものです。
いいかえると、赤くなってヒリヒリする日焼け(サンバーン)を防ぐものですね。
1~50の値で表記されており、数値が高いほどその効果が高いのですが、この数値は単純に時間を表すものではなく、「サンバーンを起すまでの時間を何倍にのばせるか」を表しています。
紫外線が当たってから皮膚が赤くなるまでの時間は個人差はありますが20~30分といわれています。
例えばSPF24という表示のある日焼け止め製品を普通肌の人が使った場合
25分×SPF24=600分=10時間
ということになります。
SPF30ならこの時間を30倍、SPF50ならば50倍遅らせることができるということです。
それよりも効果の高いものは50+と表記されます。
PAとは?
PAとは「Protection Grade of UVA」の略で主にUVAを防止する効果を表しています。
紫外線(UVA)を受けた後、2~24時間に生じる皮膚の即時黒化(すぐに黒くなること)を数値化したものです。
PA+~PA++++の4段階で表記されていて、もちろん+が多いほど高い効果があります。
このPA値の算出にはUVAPFという指標が用いられています。
わかりやすくいうと、そのUV化粧品を使った時のUVAの量÷使っていない時のUVAの量ということになります。
それを表にしたものがこちら。
表示による分類 |
効果 | UVAPFの値 |
PA+ |
効果がある | 2以上4未満 |
PA++ |
かなり効果がある | 4以上8未満 |
PA+++ |
非常に効果がある | 8以上16未満 |
PA++++ | 極めて高い効果がある |
16以上 |
もっと図解してみました。
UVケア化粧品の上手な選び方
ここまで見てきたように、UV化粧品には紫外線に対する強さを表した表示がされています。
ならば、SPFもPAも数値が高いものを選べばいいのかというとそういうわけでもありません。
効果の高いものは、肌に与える負担もとても大きいからです。
季節や生活シーンに合わせた選び方(使い方)をすることが重要です。
UVケア化粧品は、2~3時間おきを目安にして1日の間で何度か塗りなおすのがおすすめです。
UVケア化粧品の種類
UVケア化粧品の原料
UVケア化粧品には紫外線カット剤が配合されていますが、これには2種類あります。
紫外線のエネルギーを吸収して別のエネルギーに変換することで、肌への影響を抑える紫外線吸収剤と、微粒子の粉体が紫外線を反射させる紫外線錯乱剤の2種類です。
一般的には、この2種類を効率よく配合している商品がほとんどです。
🔳 紫外線吸収剤
ケイヒ酸系、ベンゾフェノン系、トリアジン系などの化学物質が紫外線のエネルギーを吸収して、熱などの別のエネルギーに変換する働きがあります。
肌に塗ったときにも、白く浮くこともないので日常的な使い方に最適です。
まれに、アレルギー反応をおこす人もいるので、注意が必要です。
※紫外線吸収剤を含まないものを「ノンケミカル処方」といいます。
🔳 紫外線錯乱剤
酸化チタンや酸化亜鉛が、物理的に紫外線をはね返します。
かぶれなどの症状が起きにくいので、肌の弱い人にもおすすめできます。
ただし、塗ったときに白くなるので、普段使いには向かないかもしれません。
UVケア化粧品の種類
UVケア化粧品にも種類があり、それぞれ役割が異なります。
UVケア化粧品の種類
■ 日焼け止め化粧品
日焼けを防ぐことを目的としたものです。
紫外線を防いで美しい肌を守ります。
■ 日焼け用化粧品
皮膚に有害なUVBをカットしながら、美しい日焼け色の肌をつくるためのものです。
いわゆるサンオイルのことです。オイルタイプやジェルタイプの製品が多いです。
■ 日焼け後用化粧品
紫外線を受けた肌をお手入れするためのものです。
皮膚のほてりを鎮め、回復させます。
水分も減少しているため、保湿効果の高いローションや乳液タイプがおすすめです。
まとめ
第7回目の今回は、「UVケア化粧品について」というテーマでまとめました。
紫外線は肌に与えるダメージが大きく、シミ、そばかすやしわ、たるみの原因となります。
年齢を重ねてから後悔しないように、しっかりと紫外線対策をしていきましょう。
次回は「皮膚・肌について」です。
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正しい知識を身に付けてカッコいい男になっていきましょう。
日焼け止めって大事なんだね。
夏は日焼けした肌、カッコいいけどね!
確かに…。
けど油断してると、シミの原因になるよ。
いつまでも若くいたいなら紫外線対策は必須だよ!
■ 他人からよく思われたい!
■ カッコよくなりたい!
■ 女性にモテたい!
■ 老けて見られたくない!