男性の僕たちにとっては、女性と比べてシャンプーの知識は乏しいですよね。
ドラッグストアやコンビニなどで500~1,000円位のシャンプーを何気なく買って使っていませんか?
「フケ・かゆみに効く!」
「洗い上がりサッパリ!」
「脂ぎった髪を洗浄!」
といったキャッチコピーに乗せられて選んだりしていますよね。
そろそろ、僕たちもシャンプーのことをもっと理解して、本当に自分にあった選び方をしてみませんか。
あとは値段とCMでの知名度かな?
そこを見ればどんな性質なのかだいたい分かるんだけどね。
大事なのはそのシャンプーの洗浄成分だよ。
今から説明していくね!
今回はシャンプーの種類と洗浄成分についてお話ししていきます。
この記事で分かること
- シャンプーの主成分、洗浄成分とは?
- シャンプーの種類について
- シャンプーを選ぶ際の注意点について
シャンプーの主成分は洗浄成分
いうまでもなく、シャンプーの目的は余分な皮脂を洗い流すこと。
つまり、その洗浄成分が主成分となります。界面活性剤ともいいます。
シャンプーには必ずこの界面活性剤が入っているのですが、この種類によってシャンプーの性質が変るといっても過言ではありません。
簡単にいうと、水と油を混ぜることで汚れ(油)を落とす(=洗浄する)という性質を持っていて、シャンプーや洗顔料はもちろんのこと、家庭用の洗剤などにも利用されています。
この界面活性剤の強さによっては髪の毛に与えるダメージも大きくなりますし、逆に弱すぎると十分に汚れを落とすことができないということになります。
自分の髪質や肌質、使用目的に応じて上手にシャンプーを選んでいきましょう。
シャンプーの種類について
まずはシャンプーの分類について見ていきましょう。
シャンプーはその洗浄成分によって以下の3つに分けることができます。
シャンプーの種類とは?
- 高級アルコール系(石油系や硫酸系などともよばれます)
- アミノ酸系
- ベタイン系
- 石けん系
「アミノ酸シャンプー」って言葉は聞いたことあるんじゃないですかね。
さらに「シリコン」が含まれているかいないかで「ノンシリコン」かそうでないかとに分かれます。
ノンシリコンシャンプーについてはこちらの記事をご覧ください。
高級アルコール系シャンプー
まずは、「高級アルコール系シャンプー」について。
「高級」とありますが高価という意味ではありません。むしろ原価としては安価なので、市販されているシャンプーの多くに含まれています。
泡立ち(気泡性)がよく、洗浄力が高いのが特徴ですが、あまり高すぎる洗浄力のものでは頭皮に必要な皮脂までも洗い流してしまい、結果としてフケの発生(頭皮の乾燥)や頭皮環境の悪化に繋がってしまいます。
もしもあなたが頭皮環境に何らかの不安や今使っているシャンプーに不満を持っているならばあまりおすすめできない成分といえます。
成分表示をみて確認しよう
洗浄力の高すぎるシャンプーは、頭皮や髪の毛に悪い影響を与えてしまう場合があります。
化粧品類には成分表示が義務づけられているので、そちらを確認することでどんな成分が含まれているのかを確認することができます。購入前にこの成分表示を確認してみてください。
「ラウリル酸ー」は避けたい
その上でまず気をつけていただきたい成分がこちら。
- ラウリル硫酸Na
- ラウリル硫酸アンモニウム など
「ラウリル硫酸ー」とあるものは、泡立ちがよく洗浄力も極めて高いですが、それと同時に頭皮に与える刺激も強いんですよね。
「ラウレス硫酸ー」にも注意が必要
そして
- ラウレス硫酸Na
- ラウレス硫酸アンモニウム など
「ラウレス硫酸ー」とあるものも避けた方がいいでしょう。ラウレスは前述のラウリルを改良して、刺激性を低くしたものなのですが、やはりおすすめはできません
名前が似ているけど別物です
また、非常に似た名前のものに
- ラウレスー4カルボン酸
- ラウレスー6酢酸Na
などがありますが、こちらは「酸性石けん系」の洗浄成分です。
「ラウレスー」とついていますが、こちらは植物由来のアルコールで合成されたもの。前述の「ラウレス硫酸ー」とは全くの別物となりますので間違えないように。ちなみに、4とか6とかの数字は分子の大きさを表していて、数字が大きいほど低刺激なものとなります。
豊かな泡立ちと高い洗浄力がありつつも、刺激は少ないという特徴があります。肌と同じ弱酸性となりますので、肌に優しい洗浄成分であるといえます。3,000~5,000円位の高級シャンプーによく配合されています。
「オレフィンー」にも注意
最近、よく目にするようになったものに
- オレフィン(c12-14)スルホン酸Na
- オレフィン(c14-16)スルホン酸Na
などがあります。
これらは、「ラウリル硫酸ー」などの「硫酸系」の代用として使われることが多く、やはり高い気泡力と洗浄力の高さが特徴。肌への刺激も少なくありません。
「高級アルコール系=悪い」ということではない
こうやって話してくると、「高級アルコール系=悪い」かのように聞こえるかもしれませんが、そういう訳ではありません。
人によって肌質も違えば、使用環境も異なるからです。
例えば、整髪料としてワックスやポマードを多用する人やひどい脂性肌の人は、後述するアミノ酸系シャンプーの洗浄力ではその油や皮脂(汚れ)を落としきれない可能性もあります。
ただ、乾燥肌・敏感肌の人は避けた方がいいでしょう。後述するアミノ酸系シャンプーをおすすめします。
アミノ酸系シャンプー
つぎに「アミノ酸系シャンプー」について。
「アミノ酸系シャンプー」とはアミノ酸系の洗浄成分を主成分としたシャンプーです。
肌と同じ弱酸性で低刺激、適度な洗浄力が特徴となっています。
そもそも肌や髪の毛はタンパク質で構成されていることをご存じでしょうか?
ヒトの身体を構成する栄養素の1つでもあるタンパク質を構成するものがアミノ酸です。
そんなアミノ酸から作られているので、肌や髪の毛にも刺激が少なくすみますし、そればかりか髪にハリやコシを与えてくれたり、ダメージを改善してくれたり、肌質の改善(保湿)も期待できたりとメリットが大きいです。
アミノ酸系シャンプーとはいってもその成分はどのアミノ酸を使っているかによって性質がかなり変ってきます。少し細かいのですが、代表的な分類をしていきたいと思います。
成分表示をみて確認しよう
アミノ酸系シャンプーも成分表記を見て確認することができます。
アミノ酸系シャンプーの成分表記は、たとえば「ココイルグルタミン酸Na」などがあります。
少し難しいお話なのですが、アミノ酸系成分は「脂肪酸+アミノ酸*アルカリ剤」の組合わせでできあがります。
例に挙げた「ココイルグルタミン酸Na」の場合は、ココイル系(脂肪酸)+グルタミン酸(アミノ酸)+ナトリウム(Na)(アルカリ剤)」ということになります。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
グルタミン酸系
アミノ酸系の中でもしっとりした使用感となります。
泡立ちや洗浄力は低く、低刺激なのが特徴です。
- ココイルグルタミン酸Na
- ココイルグルタミン酸TEA
- ラウロイルグルタミン酸Na
- ミリストイルグルタミン酸Na など
アラニン系
アミノ酸系の中でも、最もバランスがいいタイプではないでしょうか。
適度な泡立ちと洗浄力があり、使用感もすっきりとします。
- ココイルメチルアラニンNa
- ラウロイルメチルアラニンTEA
- ミリストイルメチルアラニンNa など
グリシン系
アミノ酸系の成分の中では比較的、泡立ちも洗浄力もやや高めなのが特徴です。
すっきりした使用感となりますが、このグリシン系は他のアミノ酸系と違って中~アルカリ性のため、少しキシキシした感じを受けるかもしれません。
- ココイルグリシンNa
- ココイルグリシンK
- ココイルグリシンTEA など
タウリン系
アラニン系と同じくバランスがいいタイプだといえます。
泡の量は少なめですがきめ細やかな泡立ちと適度な洗浄力が特徴です。
使用感としては重くならずにふんわり、さらさらになります。
- ココイルメチルタウリンNa
- ラウロイルメチルタウリンNa
- ステアロイルメチルタウリンNa など
アスパラギン酸系
比較的新しいアミノ酸系の洗浄成分です。
泡立ちもよく、洗浄力も適度に高く、バランスがいいです。
使用感としてはすっきりしたタイプとなります。
- ラウロイルアスパラギン酸Na など
アミノ酸系シャンプーがおすすめです
アミノ酸系シャンプーは適度な泡立ちと強すぎない洗浄力が最大の特徴となっています。
肌(頭皮)との相性(親和性)も高いので、肌に優しいのもうれしいです。
ほとんどの人におすすめできる洗浄成分ですが、極度の脂性肌の人や整髪料を多量に使う人にとっては洗浄力は物足りないかもしれません。
逆に乾燥肌や敏感肌の人には特におすすめです。
ベタイン系シャンプー
そして「ベタイン系シャンプー」について。
「ベタイン」とは、 砂糖大根(ビート)由来のアミノ酸系保湿成分のこと。
天然由来ですので当然なながら肌や頭皮にも優しいです。
どれくらい優しいのかというと、赤ちゃん用のベビーシャンプーにも使われるほどです。
アミノ酸系と比べても泡立ちはいいのですが、洗浄力はかなり弱くなりますので脂性肌の人にはおすすめできません。
さらに、このベタイン系は他の洗浄成分がアニオン(陰イオン)界面活性剤であるのに対して、両性界面活性剤であるということも特徴の1つ。つまり、洗浄力を持ちながらコンディショナーとしての機能も備えているということになります。
基本的に価格は高価なので、ベタイン系をメインに配合しているシャンプー自体は少ないですが、そのようなシャンプーはかなり高価な商品となります。
ラウリル硫酸系などの高級アルコール系シャンプーにサブとして配合されることも多く、この場合はその強すぎる洗浄力と刺激性を緩和させる役割を果たしています。
- コカミドプロピルベタイン
- ラウラミドプロピルベタイン
- ココアンホ酢酸Na など
石けん系シャンプー
最後に「石けん系シャンプー」について。
石けん系
「石けん系シャンプー」とは、石鹸系の洗浄成分を配合したシャンプーのことです。
天然成分なので安全性は高く、洗浄力も高いのが特徴です。
ただ、アルカリ性となりますので使用感としてはキシキシと感じるかもしれません。
リンスやコンディショナーとの併用をおすすめします。
- 石けん素地
- カリ石けん素地 など
弱酸性石けん系
もう1つ、石けん系といわれるものの中には「弱酸性石けん系」というものもあります。
こちらは石けんと似た構造をもつ成分で、高めの洗浄力でありながらも刺激も少ないという特徴があります。
- ラウレスー4カルボン酸Na など
成分表記の見方について
化粧品であるシャンプーには、薬事法により全成分表示が義務づけられています。
そして、その配合量の多い順に記載されているのが基本ルールです。
大抵の場合は、複数の界面活性剤が配合されています。その場合は、上から3~5番目くらいまでに書かれている成分が主成分とみて問題ないでしょう。
シャンプーの質を決めるのは間違いなく、含まれている洗浄成分(界面活性剤)です。
たとえば、こちらはCMもしている某男性用シャンプーの成分表示。太字が界面活性剤。
水、ラウレス硫酸Na、ジステアリン酸グリコール、ジメチコノール、コカミドプロピルベタイン、ヒマワリ種子油、糖脂質、タウリン、サルビアヒスパニカ種子油、リシンHCl、アルギニン、グリセリン、BG、クエン酸、コカミドMEA、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カルボマー、塩化Na、トコフェロール、ドデシルベンゼンスルホン酸TEA、硫酸TEA、水酸化Na、EDTA-2Na、安息香酸Na、フェノキシエタノール、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、香料
水を除けば、「ラウレス硫酸Na」がまず入っていますよね。次にジメチコール(シリコン)、その後にベタイン系である「コカミドプロピルベタイン」が配合されています。
これを見る限りでも、メインは「ラウレス硫酸Na」の強い洗浄力を持ったシャンプーであると判断できますね。シリコンとベタインはその刺激性を緩和するための配合でしょう。
もうひとつご紹介しましょう。
こちらは当ブログでもおすすめしている「Haru Kurokami スカルプシャンプー」の成分表です。太字が界面活性剤。
水、ココイルグルタミン酸TEA、コカミドDEA、グリセリン、プロパンジオール、ココイルメチルアラニンNa、ココイルグリシンK、セロリ種子エキス、乳酸桿菌/マテチャ葉発酵液、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、(カプロイル/ラウロイル)ラクチレートNa、クエン酸トリエチル、サピンヅストリホリアツス果実エキス、トコフェロール、ホップエキス、オオムギ発酵エキス、豆乳発酵液、ワカメエキス、アカモクエキス、スイカズラ花エキス、加水分解シルク、加水分解コンキオリン、マテチャ葉エキス、カボス果汁、アサイヤシ果実エキス、グアバ果実エキス、コーヒー種子エキス、ビワ葉エキス、アセチルテトラペプチド-3、アカツメクサ花エキス、ソメイヨシノ葉エキス、センキュウ根茎エキス、リンゴ果実培養細胞エキス、ハイブリッドローズ花エキス、カミツレ花エキス、ブッソウゲ葉エキス、ヘマチン、海塩、グルタミン酸Na、グリシン、アラニン、水添ホスファチジルコリン、ダイズステロール、ポリクオタニウム-10、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-2、ラウリン酸ポリグリセリル-10、BG、エタノール、キサンタンガム、レシチン、デキストラン、シリカ、レモン果皮油、アオモジ果実油、グレープフルーツ果皮油、オレンジ油、イランイラン花油、ライム油、カプリリルグリコール
引用:Haru 公式サイト
まず、最も配合量の多いのが「ココイルグルタミン酸TEA」、そして「ココイルメチルアラニンNa」「ココイルグリシンK」と続きます。
この3つはいずれも優秀なアミノ酸系界面活性剤。
ここから読み取れるのは、洗浄力は弱めだが肌への刺激が少ないシャンプーであるということ。
他の成分との絶妙な組合わせもあるから断言はできないけれど、少なくともこういった傾向のシャンプーである事が想像できるとは思います。
まとめ
今回はシャンプーの種類、特に界面活性剤の種類についてお伝えしてきました。
まとめておきますね。
シャンプーの種類は
シャンプーの種類
- 高級アルコール系(石油系や硫酸系などともよばれます)
- アミノ酸系
- ベタイン系
- 石けん系
必ずしも「高級アルコール系シャンプー=悪い」というわけではありません。
大事なのは、シャンプーの種類(違い)を理解した上で、自分の肌質や現在の悩みに合わせてシャンプーを選ぶということです。
乾燥肌や敏感肌の人はもちろん、よほどの脂性肌の人でない限りはアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。脂性肌の人は洗浄力の強めのタイプを選んだ方がいいかもしれませんね。