初めて高級腕時計の購入を考えるときに必ずでてくる疑問の1つが「機械式とクォーツ式、どちらを選んだらいいのか?」ということではないでしょうか?
「そもそもそれぞれの違いは何なのか?」
「どっちを選んだらいいのか?」
結論から話してしまうと、自分のライフスタイルに合わせて選ぶというのが答えです。
どういうことか、これからお伝えしていきますね。
聞いたことはあるけどよく分からないなぁ。
今回は、機械式とクォーツ式の違いについてお伝えしていきたいと思います。
この記事で分かること
- 機械式とクォーツ式の違い
- それぞれのメリットとデメリット
- どんな人におすすめなのか
どっちを選ぶ?機械式とクォーツ式
腕時計には「機械式」と「クォーツ式」のものがあります。
この2つの違いは「動力源(ムーブメント)の違い」です。
簡単に言うと、時計の針を動かすための心臓部ともいえます。車でいうところのエンジンにあたりますね。
「機械式」はゼンマイの力で動く機構のことをいい、「クォーツ式」はクォーツ(水晶)に電池で電圧をかけることで動かしている機構のことをいいます。
まずはそれぞれの違いについて解説していきますね。
機械式時計
「機械式時計」はゼンマイを巻いて、その解ける力を利用して歯車や部品を動かして、針を動かす機構となっています。
さらに、このゼンマイを巻く方法によって、着用して腕を振るだけ(日常生活で十分)でゼンマイが巻かれる「自動巻き式」と、手動でゼンマイを巻き上げる「手巻き式」とに分かれます。
その歴史は古く、高級腕時計と呼ばれるもののほとんどが、この「機械式時計」です。
機械式時計の歴史
世界で初めて機械式時計が作られたのは14世紀(1330年頃)のイタリアの宮殿礼拝堂に作られたものだといわれています。これは礼拝の時間を修道士たちに鐘の音で知らせるためのものでした。
時計のことを英語で「Clock」ともいいますが、この語源はラテン語で鐘を表す「Clocca」であるともされています。
その後、小型化・高精度化が進み、懐中時計が生まれます。さらに当時世界中で起っていた戦争、第一次世界大戦を経て、現在の腕時計が生まれ、発展してきた経緯があります。
世界で最初の腕時計といわれるものは1806年。ナポレオン皇帝が皇妃ジョセフィーヌのために創らせたものであったといわれています。ですが、これは一点もの。量産されたのは1880年頃、ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世がドイツ海軍将校用にジラール・ペルゴー社に2,000個の腕時計を製作させたという記録が残っており、これが最初の量産された腕時計であるといわれています。
腕時計が今の大きさになり、一般化するまでには500年ほどの長い年月がかかっているんですよね。
こういった長い歴史を身にまとうことへの男のロマンを感じられるのも機械式腕時計ならではの醍醐味です。
機械式腕時計の魅力とは
「機械式腕時計」は後述するクォーツ式のものと比べて内部のパーツは多く繊細ですし、当然作るのにも多くの手間と高い技術が求められます。したがって、価格も高価になってしまいます。
たとえば、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)など時計として実用的には必ずしも必要ではないかもしれない機構などがありますが、あの小さな時計の中にこれだけの機構を組み込むとなると部品も超小型化が求められ、そこには熟練した職人の技術の高さが不可欠。
こうした機構(ムーヴメント)を眺められるように「スケルトン」あるいは「裏スケルトン」として、その部品の動きそのものを見て楽しむことができるのも機械式ならでは。
だからこそ、そこには各ブランドのこだわりや歴史が見え隠れするし、ロマンを感じられるのです。
ひとことでいうならば「この味わい深さ」こそが機械式時計のもつ最大のメリットだと僕は思います。
機械式腕時計のメリット
①半永久的に使える高い永続性
「機械式時計」はほぼ全てのパーツが分解可能であり、よほどのことがない限りは半永久的に修理ができます。
修理ができるということは、世代を超えて受け継ぐことができるということに繋がります。
事実、パテック・フィリップやIWCなどは自社製時計の永久修理を謳っています。このことからも各ブランドの時計に対する想いが伝わってきますよね。
②資産価値が高い
永続性が高い=資産価値が高いということになります。
「取引価格が下がりにくい」「プレミア化しやすい」といった点から投資の対象となっているんですね。
実際、中古品で出回っているものの中には1940~50年代くらいのもの(半世紀も昔!)も取引されていますし、むしろプレミア化されて当時よりも価格が上がっているものも少なくありません。
③芸術/デザイン性が高い
機械式腕時計は非常に繊細な部品の組合わせで作られています。
前述したように、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)など複雑な機構を用いたものもあります。
ムーブメントの動きを見ることのできるスケルトン(裏スケルトン)などもうれしいですよね。歯車が動いているのを眺めていると時を忘れてしまうほどです。
もはや、芸術品といっても過言ではないのでしょうか?
このように、職人へのリスペクトも含めてロマンを感じられると思います。
まとめるとー
機械式のメリット
半永久的に使える高い永続性
資産価値が高い
芸術性/デザイン性が高い
いろいろなこだわりを感じるよ!
所有満足感を高めたいなら機械式腕時計を選ぼう!
機械式腕時計のデメリット
もちろん、デメリットもあります。
①高価である
最大のデメリットは購入するのに高価であるということ。
ものにもよりますが、20万から100万を超えるものまで様々あると思います。
確かに高価ではありますが、それだけにその時計を所有することで所有満足感は高まりますし、ステータスシンボルともなるんです。
②維持費がかかる
さらに、機械式時計はその名の通りですが機械でできていますので、定期的な点検(オーバーホール)が必要となります。具体的にいうと、一度分解して洗浄し、再度組み上げるといった作業を行います。
オーバーホールは3~5年に一度はした方がよいとされていますが、その都度5万円くらいはかかります。もちろん、モデルや状態によって異なるでしょうからあくまでも目安です。
③クォーツ式と比べて精度が低い
時計として正しい時刻を刻むという点においては、クォーツ式のものと比べて精度は高くないです。
クォーツ式の誤差は「±15秒/月」ほどとされていますが、機械式の誤差は「±15秒/日」程度となります。
同じに見えますか?
クォーツ式は「1ヶ月に±15秒の差」、機械式は「1日に±15秒の差」ということです。
同じ月に換算すると機械式は「±450秒(約7分半)/1ヶ月」も誤差があるということですよ。
これも機械式時計の味なのですが、使用用途によっては困ってしまいますよね。
④水濡れ、衝撃、磁気に弱い
もうひとつ、デメリットとしては水に弱く、衝撃や磁気の影響を受けやすいということがあります。
機械式腕時計は、非常に精密な部品の組み合わせで作られていますので、強い衝撃を受けたり、磁気を帯びてしまうと故障の原因となってしまいます。
もちろん、これらを克服したモデルもありますが、一般論としては水濡れ、衝撃、磁気に弱いといっていいでしょう。
激しい運動をする場合や入浴する際などは外すことをおすすめします。
まとめるとー
機械式のデメリット
購入するには高価で維持費もかかる
ゼンマイをまかないと止まってしまう
クォーツ式と比べて精度が低い
水濡れや衝撃、磁気に弱い
取り扱いにも注意が必要みたいだね!
けど、だからこそ愛着が沸くってことじゃないかな!
クォーツ式
あまり腕時計に興味がない人にもなじみが深いと思われるのがこの「クォーツ式」ではないでしょうか?
雑貨店や家電量販店などでもよく販売されているもののほとんどがこのクォーツ式のものです。
価格はリーズナブルで数千円から数万円程度のものが多いと思います。
クォーツとは水晶(石英)のこと。このクォーツに電気信号を与え振動させることでモーターを動かしている機構です。その動力源は電池になります。(最近では太陽光(ソーラー)を利用したものもあります)
最大のメリットは高精度であること。その正確性は前述した機械式にはマネのできない芸当となります。さらに最近では電波時計も登場しており、その精度を高めています。
クォーツ式時計の歴史
クォーツ式時計の歴史は機械式時計と比べると浅く、比較的新しい技術なんです。
クォーツ式時計が発明されたのは1927年、アメリカのA.W.マリソン氏の研究によるものでした。ところが、この最初のクォーツ式時計は大変大きなサイズだったといいます。
そこで、小型化の開発研究をすすめたのが日本が誇る時計ブランドSEIKO(セイコー)でした。
そして1969年、ついに世界初のクォーツ式腕時計「クォーツ アストロン 35SQ」を発表しました。
このアストロンは高精度な機械式時計が日差±15秒程度であったところ、なんと日差±0.2秒(月差±15秒)と飛躍的に精度を上げることに成功しました。
価格は45万円。当時の価格でいうと中型車なみの価格だったということです。
それから、大量生産化と低価格化が進み、あっという間に世界中に普及していきました。
このことによって、従来の機械式腕時計を作っていたブランド各社は圧倒的な苦戦を強いられることとなり衰退し、あるいは廃業に追いこまれてしまったところもあるくらいです。
再び機械式時計が脚光を浴びるのは1990年になってから。それまでの期間のことを「クォーツショック」あるいは「クォーツクライシス」と呼んでいます。
このクォーツショックにより、スイスを中心としたブランドは生き残りをかけた大連立(グループ化)することになりました。
クォーツ式時計のメリット
次にクォーツ式腕時計のメリットは以下の3つ。
①精度の高さ/正確性
クォーツ式の最大のメリットは精度の高さと正確性です。
クォーツ式の誤差は「±15秒/月」ほどとされていますが、機械式の誤差は「±15秒/日」程度となります。
”時計は時刻を確認するもの”という観点からは、クォーツ式のほうが優れています。
最近では、電波時計も登場しており、その精度は更に高まりを見せています。
①価格が安い/メンテナンスも楽
大量生産されるため、購入時も価格が安いものが多いのが最大のメリット。
メンテナンスも通常は電池の交換(3~5年位)のみで問題はなく、価格も数千円程度ですみます。
調子が悪くオーバーホールしたとしても、部品そのものが比較的少ないのであまり高額にはならない。
①磁気の影響を受けづらい
もう一つ、クォーツ式時計は部品が少ないため衝撃に強く、磁気の影響も受けづらいです。
もちろん限度はありますが、機械式時計と比べてという意味においてです。
まとめるとー
クォーツ式のメリット
精度が高く正確な時刻を刻む
比較的安価でメンテナンスも楽
衝撃や磁気にも強い
なによりもお財布にやさしい!
衝撃に強いのもうれしいよね!
クォーツ式時計のデメリット
もちろん、デメリットもあります。
①資産価値は生まれにくい
価格が安価である反面、基本的に大量生産されているモデルが多く、芸術性が高いとはいえない。
したがって、機械式腕時計のような資産価値を生み出すことは考えにくい。
限定モデルなど一部製品にはプレミアが付くこともあるだろうが、時計としての価値というよりはその希少性によるものと考えられます。
②修理が難しい場合が多い
大量生産されるムーブメントは基本的に分解することを想定していないため、修理は難しいということになる。もし、修理するとしたらムーブメント自体の交換ということになる。
部品もICチップなどの電子部品が使われていることが多く、これらも交換となる。
さらにいえば、生産完了品ともなれば、その修理は更に困難を極めるということです。
③クォーツ式を作っていないブランドもある
全てのブランドがクォーツ式腕時計を作っているわけではありません。
例えば、ROLEXはクォーツ式腕時計を作っていません。
せっかくそのブランドストーリーが好きで、デザインが好きでも選べるものがないということにもなりかねません。
まとめるとー
クォーツ式のデメリット
資産価値は生まれにくい
修理は難しい
作っていないブランドもある
みんな持ってる普通の時計な感じがするよね!
購入前に試してみたくない?
「買ってみたら似合わなかった」とか失敗したくないですよね。
そんな貴方はぜひこのサービスを使ってみてください。
気になるモデルを借りて、試して、気に入ったら購入する!
そんなサービスがブランド腕時計のサブスク「KARITOKE」です。
「KARITOKE」についてまとめた記事も参考になさってくださいね。
-
参考記事【高級腕時計のサブスク】KARITOKEを使わない理由が見つからない!
続きを見る
自分にあった腕時計を選ぼう!
最後まで読んでくれてありがとうございます。
今回は「機械式腕時計とクォーツ式腕時計の違い」についてお伝えしてきました。
それぞれにメリットとデメリットがありましたね。
表にまとめてみましたので改めて確認してみましょう。
機械式腕時計 | クォーツ式腕時計 | |
価格 | 高価である | 安価である |
メンテナンス | オーバーホールが必要 | 電池交換でOK |
資産価値 | 高い | 低い |
所有満足感 | 高い | 低い |
芸術性/デザイン性 | 高い | 中 |
耐衝撃/耐磁性 | 低い~中 | 強い |
精度の高さ | 低い(日差±15秒程度) | 高い(日差±0.2秒程度) |
歴史 | 古い | 比較的新しい |
このような違いを踏まえた上で、自分のライフスタイルにはどちらが向いているのかを判断していただけたらよろしいのではないかと思います。
まとめるとー
機械式腕時計はこんな方におすすめ
- 自分のステータスシンボルを高めたい
- 時計を資産価値として考えたい
- ブランドの歴史にロマンを感じる
- 他の人に差をつけたい
- 愛着を感じたい
そしてー
クォーツ式腕時計はこんな方におすすめ
- とにかく実用性重視である
- 正確な時刻がわかればそれでいい
- 資産価値としては考えない(使い捨て感覚)
- コストパフォーマンスを重視したい
- 激しい運動などタフな使い方が多い
もちろん、クォーツ式腕時計は良くないというわけではありませんし、機械式腕時計にもデメリットはたくさんあります。
ただ、当サイトの目的は「カッコいい男」を目指すことです。
高価であり、しかも衝撃に弱いなど多少の不便さはあったとしても、機械式腕時計を身につけることで得られるメリットのほうが大きいと考えます。
1番おすすめなのは、スバリ!2本持ち!
ビジネスシーンでは機械式腕時計、アウトドアや激しい運動をするときなどはクォーツ式などと使い分けるのも賢い方法かなと思います!
いつの日か、時計について語り合える仲間が見つかったら楽しそうですよね。
高級腕時計の世界は奥が深いです。
まだまだ、伝えきれませんので、また別の記事でお会いしましょう!
そんな時は時計のサブスク「KARITOKE」で試してみるといいよ!